石川県の伝統食材 ブリ
石川県の伝統食材として欠かせないのがブリです。初冬に「ぶりおこし」と呼ばれる雷が鳴ると、能登の内浦地区で定置網を使った本格的なブリ漁が始まります。養殖ブリも一般的になりましたが、脂ののりや味、身の締まりは天然ブリが優れています。厳冬期の寒ブリは特に脂がのっていて、刺身で食べると醤油を弾くほどです。暮れの祝いごとや贈答品に使われ、出世魚として縁起物とされています。
江戸時代には、とれたてのブリはまず藩主へ献上され、「ブリ一本、米一俵」ともいわれる高級食材で、庶民にはめったに手に入りませんでした。
さまざまなブリ料理
今では定番の「ぶり大根」や刺身、かぶらに挟んだ「かぶらずし」、発酵食の「巻きぶり」など、県内でさまざまなブリ料理が楽しめます。旬は11月から翌2月にかけてで、この時期は地元の市場に大小さまざまなブリが並びます。暮れの祭事や贈答品に欠かせず、新婦の実家から嫁ぎ先へ贈る風習も残っています。
「ぶり大根」は現在も家庭でつくられているブリ料理の代表格です。