特徴
加賀野菜“たけのこ”は、タケ科の孟宗竹（モウソウチク）という竹の一種で、最も大きな種類で稈の高さは10〜20メートルにも達し、径は25センチメートルと大きいです。地下茎は60センチメートルの深さまで波状に広がり、地表近くに広がるひげ根から養分を吸収し、地下茎に蓄えられます。地下茎からは芽が出て、次の年にたけのこや地下茎となります。特に生産力の高い地下茎は2〜5年生のものです。
肥培管理において大切なことは施肥と親竹の更新です。施肥は春肥と夏肥の2回あり、春肥は発筍の1ヶ月前に施し、夏肥はたけのこの増収を促すために芽が伸びる前に施します。親竹の更新は、親竹を6年で伐採し、毎年50〜60本の古竹を新しいものと入れ替え、10アール当たり300本の親竹を維持する必要があります。
内川地区では4月下旬から5月上旬にたけのこ料理が楽しめます。
歴史と現状
加賀野菜“たけのこ”の最初の植栽は、加賀藩の割場足軽だった岡本右太夫が1766年に江戸から孟宗竹の苗2株を持ち帰り、金沢の自宅に植えたことから始まります。
しかし、その苗は枯れてしまいましたが、1770年に再び孟宗竹を江戸から取り寄せて植えたところ、今度は生育しました。その後、内田孫三郎氏が孟宗竹の普及に努めたとされています。内川地区や富樫地区などで広がり、金沢市でたけのこ畑地造成事業を進め、近代的な筍缶詰工場が建設されて、合理化されて栽培されるようになりました。
たけのこ料理も楽しめるため、地域の特産として重要な存在となっています。