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金沢一本太ねぎ

(かなざわ いっぽん ふとねぎ)

寒さの中で甘みを増していく、料理で主役になる加賀野菜

加賀野菜“金沢一本太ねぎ”は、その名が示す通り、全長110cm程、根元の白い部分の長さが25センチ、茎が2cm総重量1kgほどという、その大きさに特徴がある。耐寒性、耐病性ともに強く、肉質は柔らかで、葉にはゼリー状の粘着物が詰まり、火を通すととても甘くなる。そして寒さに当たるほど風味が増す。薬味としてだけでなく、ねぎそのものが十分においしいので、料理の主役としても使用される。熱を加えると甘みを増すことから、すき焼きや鍋ものにしてよく煮込めば、ねっとりとした食感と甘みが絶品だ。寒くなるほど甘味と風味が増す。鍋物やすき焼きに入れて煮込むと、とろけるようなやわらかさと甘みが際立つ。

旬 11月 12月 1月

金沢一本太ねぎは、その名の通り、分けずに育てられる太くて長い柔らかい品種です。標準の大きさは、総重量で1kg弱、草丈は110cm前後、軟白部の長さは25cm、茎の太さは約2cm程度です。この品種は加賀群に属し、越冬性が強く、寒さや病害虫にも耐性があります。葉はやや濃い緑色をしており、成長が非常に早い特徴があります。

作型には、春まき秋どりと秋まき夏どりの2つがあります。春まき秋どりは3月下旬から4月上旬に種をまき、6月末に定植し、11月から3月まで収穫します。一方、秋まき夏どりは8月から9月に種をまき、4月に定植し、6月下旬から9月まで収穫します。

特に、甘くて柔らかく、ぬめりがある金沢ねぎの味は、すき焼きや鍋物などで広く愛されています。

歴史と現状

詳しい由来は不明ですが、「石川県園芸要鑑」(大正5年)によれば、金沢ねぎは別名「マツエタ葱」とも呼ばれ、原種は長野県松本地方から導入されたとされています。金沢一本太ねぎは、別名で金沢一本や金沢太ねぎ、金沢根深(ネブカ)太ねぎとも呼ばれ、北陸地方から北へ寒冷地で栽培される一本ねぎの代表的な品種です。

金沢一本太ねぎは、明治末期から大正時代、昭和30年代半ばまで金沢市内の有松、三馬、米丸、崎浦地区で一部の熟練農家によって金沢ねぎとして栽培されてきました。その後、昭和37年に金長ねぎが登場し、金長ねぎが主流となりましたが、昭和55年までごく一部の農家が金沢一本太ねぎの栽培を続けました。

今でも金沢市の金城・富樫地区の一部の農家によって栽培が受け継がれています。

Information

名称
金沢一本太ねぎ
(かなざわ いっぽん ふとねぎ)

金沢

石川県