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はす蒸し

(はすむし)

加賀れんこんをすりおろして蒸した郷土料理

はす蒸しは、加賀れんこんをすりおろし、具材を加えて蒸した郷土料理です。れんこん本来のもっちりとした粘りと、仕上げにかけるあんによってとろりとした食感が楽しめます。

加賀れんこんは、藩政時代から栽培が続く歴史の長い野菜で、金沢市、かほく市、津幡町などの2市2町にまたがる河北潟干拓地が一大産地です。節の間が短いのが特徴で、特に先端の2節が美味とされます。

身が肉厚で、歯ごたえが小気味いいことから「餅れんこん」ともいわれます。すりおろすと粘りが強く、その粘り気を活かした郷土料理「はす蒸し」が古くから親しまれています。

主な伝承地域: 金沢市周辺
主な使用食材: 加賀れんこん、白身魚、エビ、卵など

加賀れんこん

加賀れんこんの味の良さは評判で、明治時代後期から大正時代にかけては農業が隆盛を極めました。「れんこん御殿」を建てた栽培農家も少なくなかったそうです。五代加賀藩主の前田綱紀公は、美濃の国から持ち帰ったれんこんの種を金沢城内堀に植え、観賞用の花を育てていました。この加賀れんこんの食感が楽しめる郷土料理が「はす蒸し」です。

加賀れんこんは夏から翌年の春ごろまで収穫されます。れんこんは「先の見通しがきく」縁起物として正月料理に欠かせません。「はす蒸し」をはじめ、刺身やだんご汁、寒天寄せ(蓮根羹:はすねかん)など、さまざまな料理が残っています。かつては来客用のおもてなしに「はす蒸し」を作る家庭も多かったですが、現在は以前ほど食卓に登場する機会は少なくなりました。

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名称
はす蒸し
(はすむし)

金沢

石川県