加賀れんこん
加賀れんこんの味の良さは評判で、明治時代後期から大正時代にかけては農業が隆盛を極めました。「れんこん御殿」を建てた栽培農家も少なくなかったそうです。五代加賀藩主の前田綱紀公は、美濃の国から持ち帰ったれんこんの種を金沢城内堀に植え、観賞用の花を育てていました。この加賀れんこんの食感が楽しめる郷土料理が「はす蒸し」です。
加賀れんこんは夏から翌年の春ごろまで収穫されます。れんこんは「先の見通しがきく」縁起物として正月料理に欠かせません。「はす蒸し」をはじめ、刺身やだんご汁、寒天寄せ(蓮根羹:はすねかん)など、さまざまな料理が残っています。かつては来客用のおもてなしに「はす蒸し」を作る家庭も多かったですが、現在は以前ほど食卓に登場する機会は少なくなりました。