特徴
源助だいこんは早生種で、肉質が柔らかく、独特の歯ごたえがあります。煮物用のだいこんとして非常に優れており、特におでんには最適な品種とされています。
根部の形状は短い円筒形で、根径は約8cm、根長は約22〜25cmです。尻の部分も適切な形を持っています。成長が旺盛で、ウイルス病や萎黄病にかかりにくい傾向がありますが、ス入りや空洞症が発生しやすいこともあります。
播種の適期は8月20日〜27日で、普通栽培であればこの時期が適しています。遅まき栽培は9月10日頃が限界です。収穫は播種後55〜60日目で、この時期に収穫すると肥大が良く、ス入りも少ない傾向があります。
歴史と現状
源助だいこんは、金沢市打木町の篤農家である故松本佐一郎氏によって育成されました。この品種は、愛知県の井上源助氏が宮重系統の中から早生種で生育の旺盛な切太系の固定したものを導入し、在来の練馬系打木ダイコンとの自然交雑によって育てられました。
昭和26年からはスイカやカボチャの後作として導入され、昭和33年にはかん水施設(スプリンクラー施設)の導入によって本格的に栽培が広まりました。昭和35年には、源助だいこんの共販取扱高が3,000トンに達するなど、この品種の人気と需要が高まっていることがうかがえます。
源助だいこんは、ずんぐりとした円筒形をしており、柔らかい肉質ときれいな外皮が特徴です。特に関西市場では「天下一品の味」と評価され、石川県の特産品として多くの支持を集めました。しかし、長年の栽培や市場の変化により栽培面積が減少していく中でも、その魅力は不動のものとなっています。