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赤ずいき

(あか)

煮物や酢の物で活躍する名副菜

“ずいき”は“さといも”や“はすいも”の葉柄で、葉と実をつないでいる箇所だ。食べ方は“ふき”と同様で、皮をむいたあとに茹でて、煮物や酢の物などにされることが多い。
シャキシャキとした歯応えが心地よく、さっぱりとした味わいは煮物のアクセントに適している。鉄分やカルシウムが豊富なだけでなく、食物繊維もたっぷりと入っているので、昔は産後の女性に食べさせる習慣もあったようだ。

旬     6月 7月 8月 9月

サトイモの葉柄をずいきと言います。特にその中でも赤い葉柄を持つものを、「赤ずいき」と呼びます。太くて大きなこの赤い葉柄は、「唐芋(エビ芋)」や「八つ頭」とも呼ばれ、皮を剥いでゆでて、「酢の物」や「漬け物」にしたり、乾燥させて「干しずいき」として食べられることがよくあります。

加賀野菜の「赤ずいき」は、繊維質が豊富でヘルシーな特徴があり、そのヘルシーな魅力から、様々な料理にも適しており、健康志向のブームに合わせて注目を浴びています。

歴史と現状

サトイモは、熱帯や亜熱帯地域の東南アジア原産で、日本には縄文時代後期に中国から伝わったとされています。石川県でも、藩政時代よりもさらに昔から栽培されていたと考えられています。

サトイモは、その部位によって異なる品種があり、子イモを食べる品種、親イモ用の品種、親子両方を食べる品種、そしてイモがら(ずいき)を食べる葉柄品種の4つの系統に分かれます。その中でも、「唐芋」と「八つ頭」と呼ばれる品種が「赤ずいき」として知られており、その葉柄はお盆や秋祭り、法事などの際に食べられます。赤ずいきの酢の物はさっぱりとして口当たりが良く、田舎料理として親しまれています。

「ずいき」という名前は、南北朝時代に臨済宗の僧である夢窓疎石の歌に由来しており、「いもの葉に置く白露のたまらぬはこれや随喜の涙なるらん」という一節からきていると伝えられています。

また、赤ずいきの栽培は、催芽させたサトイモを5月上旬に植え付け、黒いポリマルチで覆うという手法が用いられます。7月になるとマルチを取り除き、土寄せと追肥を行います。夏の高温乾燥が続く場合には潅水も行います。明治時代などには市内でも多くの農家が栽培していましたが、現在は三谷地区や金浦地区の一部の農家が栽培を続けているのみとなっています。

Information

名称
赤ずいき
(あか)

加賀・白山

石川県