能登地域での大納言あずきの栽培については、江戸時代中期に編集された「能州産物帳」に記載があるほどの古い歴史を持ちます。これが奥能登の恵まれた気候風土を生かした名産品「能登大納言」の祖先といわれています。
能登大納言は、粒が大きく鮮やかな赤色が特徴です。皮がやわらかく風味豊かで、炊くとふっくらしておいしいため、高級和菓子の材料として珍重されています。ただし、ひとさやずつ手で丁寧に収穫されるため、生産量が少なく希少価値が高いです。
旬: 10月〜11月
能登大納言小豆
「能登大納言」は、奥能登地方特有の気候風土に恵まれ、他の大納言小豆とは異なる特性を持つ品種「地域在来種」です。全国中でも特に大粒で(通常の小豆の約2~3倍の大きさ)、輝くような艶と鮮やかな赤色が際立ちます。大粒でありながら柔らかな皮と風味の良さが特長と評価され、高級和菓子にふさわしい素材として重宝しています。
収穫には手作業が主となり、「さやぼり」と呼ばれる作業で丁寧にひとさやずつ収穫されます。そのため、品質は高いですが、手間のかかる作業ゆえに生産拡大が難しい側面もありました。
今日、産地では収量と品質の向上を目指し、栽培試験や新たな栽培農家の募集などに取り組んでいます。手作業で大切に収穫されるその姿勢は、この品種の価値と伝統を守るための努力の表れです。